ハウルの動く城(改訂版)

まず良かった所から。

1.木村拓哉の声は意外と良かった。

ハウルの声を木村拓哉がやると聞いた時、まさか、いつものキムタク的演技で やるつもりか!?大丈夫かよおい…。と、思ってたんですが、これはかなり頑張って ましたね。けっこうハウルのキャラに合ってたと思います。ただ、所々ん?と 感じる場面はありましたが、本業の声優ではないのでこれは仕方ないと思います。

2.絵が綺麗。

さすが宮崎アニメ。背景の描き込みの細かさとかは申し分無いです。

3.カルシファーとマルクルが……

良かったです。声も合ってたし。カルシファーはほぼ原作通りのキャラで好感が持てたし、 マルクルの方は原作からかなりかけ離れてたんですが、今回の映画にはこのキャラで良かったと思います。

では次に悪い所。

1.何をやりたいのかわからない。

色んな所で言われてますが、戦争を非難したいのか、それともハウルとソフィーの ラブロマンスを描きたいのかがぼやけがち。色々やりたいのは分かるけど、 (もう既に内容が原作からかけ離れているんだから、せめて……と言う意味で) もうちょっと整理して欲しかったという感じでした。

2.ソフィーの声

いや、演技力云々と言う訳ではなく、18歳ソフィーの時は倍賞千恵子じゃちょっと苦しいなと思ったんです。 90歳のソフィーは「90歳のソフィーってこういう声だったのか」と思うくらい、はまってたのですが、 18歳のソフィーはどう聞いたって18歳の少女の声には聞こえないんです。宮崎氏は倍賞千恵子の18歳ソフィー の声はお気に入りみたいな事をどこかで聞きましたが、私は、出来れば役者を分けた方が良かったと思いました。

3.説明不足

原作を読んでないと、「一体どうしてこれがそうなるのか?」と思いたくなりそうな場面が多かったです。 例を挙げますと、なんでソフィーと継母のファニーがあまり仲良くないのかとか、ハウルとカルシファーの 契約の事とか、原作読んでないとわかりにくい所が多々ありました。まあ、原作をまるまるアニメ化したら とてもじゃないけど、2時間で収まる長さじゃ無いから、ある程度わかりにくい所が 出て来るのは仕方ないと思います。なので、本来なら原作を読んでから映画見る事をお勧めしたい ……と、言いたいところなんですが……。

4.原作と内容違い過ぎ。

「そこまで言うなら原作を読んでから見ようかな?」と考えてる方、それはやめといた方が 良いです。映画見てからにしましょう。多少設定やキャラの人間関係が分からなくても、 その方が映画と原作両方楽しめると思います。まあ、そうは言っても原作を先に見るか否かは人それぞれなんですが、 原作を先に見てしまうと、多分設定やストーリ−展開のあまりの違いにがっくり来ちゃうんじゃないかなと思います……。

小説や漫画を映画にする際は、多少のアレンジや話の短縮は仕方ない事だと分かっているけど、 それでももうちょっと内容を原作に近づけて欲しかったなと思いました。

★まとめ

私が思うに、「一回見ればもう十分な映画」かなと。 でも、期待しすぎなければそんなに損した気分にはならないのではと思いました。 あと(原作読んだ事ある人は)見る時は原作の事は一回忘れましょう。その方が精神衛生上良いです。