セルディック(本物)は、なぜ主人公に名前をつけなかったのか?

その方が物語が盛り上がるし主人公のキャラも深まるから!……で、結論づけると1行で終わってしまうので、 真面目(そしてちょっと強引に)に考察してみます。

今作品の主人公は、セルディック王太子の影武者と言う立場から始まりました。しかし、彼は王道ルートで マリーに名前を貰うまで「自分の名前」と言う物を持っていなかったのです。(覇道ルートにおいては、それすらも得る事が出来ません。) しかし、これって結構不便ではないでしょうか?というのも、主人公がセルディックとして活動している時は良いものの、それ以外…… 本物のセルディックと接している時とか、影武者として活動していない時等は仮にでも良いから自分の名前がないと色々 不都合がありそうな気がします。

だいたい、いくらセルディック王太子が主人公をこっそり拾ってきて自分の影武者として教育したとは言え、まさか影武者として 活動していない時にまでセルディック以外の人間との接点がまったくなかったわけがありますまい。おそらく、セルディックが 本当に心の底から信頼の置ける従者や使用人1、2人くらいとは(セルディックとしてではなく影武者として)何らかの交流があったと思います。 やっぱり、主人公の身の回りの世話とかこまごまとした教育をセルディック一人で出来るとは思えないし。そういう時に呼ぶべき名前が無いと 使用人の方もちょっと困ってしまうのでは?と思ったのですが……。

でも、結局主人公は自分の名前をセルディックやその使用人等からは貰う事はありませんでした。で、これについて理由を考えてみましたが 「なんだかんだで、主人公を呼ぶ時は『おまえ』とか、『影武者の人』で済んでしまった」か、「下手に名前をつけてしまうと 影武者を演じている時に万が一(偶然にしろうっかりどこかで知られてしまったにしろ)そっちの名前で呼ばれて返事をしてしまった場合、影武者として 役に立たなくなってしまうので、あえて名前をつけなかった(それでダメになる影武者ってのもどうかと思うが)」位しか思いつきませんでした。

いずれにせよ、この「主人公には自分の名前が無い」おかげで物語が引き立ってる部分はあるのでシナリオ的には正解だったのかなと思います。

それにしても、セルディック王太子はもし帝国の襲来も無く、自身が死ぬ事も無く平穏無事に暮らしていたら、そのうち主人公に それなりの名前をつける気があったのでしょうか?それとも、主人公に「自分で好きな名前をつけろ」と言うつもりだったのでしょうか? 今となっては、考えても仕方ない事ではあるのですが。